障害年金と生活保護②
前回のコラムでは、障害年金の受給が生活保護費の計算に大きな影響を与えることをご紹介致しました。そこで今回は、遡及受給された障害年金と生活保護との関係について、一緒に考えていきたいと思います。
障害年金には遡及受給という制度があるのですが、それは一体何なのでしょうか?
障害年金の権利は既に発生しているのに、それに気付かず、受け取れたはずの年金が貯まったまま放置されているといった方が大勢いらっしゃいます。
そこで、権利が発生した時期(最大5年)まで遡って処理することにより、その貯まっていた年金をまとめて受け取れるという制度がこの遡及受給なのです。
しかし、生活保護を受給している場合はどうなるのでしょうか?
前回にもご説明させて頂きました通り、生活保護費と年金の二重取りは出来ない制度になっております。したがって、遡及受給した障害年金のうち、既に受け取った生活保護費に対応する金額をまとめて市役所に返金しなければならないということになります。そのままお金を使ってしまいたい気持ちは分かりますが、これも二重取りを防止するために決められたルールなのですから仕方がありません。
ところが、生活保護を受給する前でしたらそのような返金のルールは一切ありません。もし、多額の年金が遡及受給できた場合は、それを元手に生活設計の見直しが出来るかも知れません。ひょっとしたら、生活保護の申請自体が必要なくなってくる場合もあることでしょう。障害年金の受給権を確認をすることは、今後の生活を考えていく上でも極めて大切なことなのです。
生活保護の受給開始後は原則として市役所が相談窓口になりますが、受給前であればこちらでアドバイスができる場合があります。
詳しくは、当センターまでご相談ください。
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電話番号:0800-080-8600